卒園式にて

町のボランティアを昨年の暮れより引き受けている。

そのため、思いがけず保育所の卒園式に来賓として出席することになった。

受付をしようと、近づくと

にっこり暖かい笑顔で「おばあさまですか?」

と聞かれてしまった。

「え、ちがいます!」と、役職を告げてそそくさと会場へ

向かったが、なかなか怒りがおさまらない。

確かに年齢的には(50代前半)、卒園を迎える6歳の孫がいても

おかしくはない。でも、私も、私の同年代の友人にも

まだ孫さえいないぞ、迷ったら、若いほう、お母さまですか?

と聞くのが常識なのに、、、いや、あの受付は

迷いもしてなかった、、、と、式の前半は

そんなことばかりを考えていたが、

式の後半は、園児たちの歌がつづき、在園児たちの送る言葉

が、元気よくひびいてくる。気が付くと

ぽろぽろと涙をながす男の子が何人もいる。

司会をする女の先生も涙声だ。

拍手に合わせて退場する園児を見送りながら

子どもたちのあまりのいじらしさに私も涙がとまらなかった。

2時間あまりの間に、怒ったり、感動して泣いたり

1本の映画を観た以上の充実感を覚えながら

自転車をこいで、家に帰った。

 

M.Y

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